鳴鹿大堰を間近で見ると自然をコントロールしようとする人間の執念と、今はそれに屈服した振りをしておとなしく息をひそめている九頭竜を感じます。ここは資料館も併設されていて、平時は一般に解放されています。   大堰上流を望む。ここから上流が山間の流れになっていて、ちょうどこの鳴鹿が扇状に開ける福井平野への扇央であることが良くわかります。この豊かな水量はダムと見まごうほどです。
 
堰を制御する巨大なシリンダーが暴れ竜を抑えつけている手綱のように見えます。御影石で作られた構造物は自然に溶け込んでいるかのようにも見えますが、自然界ではありえない川を横断する直線が違和感を覚えさせます。   魚道は両岸にあり、遊泳力の強い魚と弱い魚類用とが併設されています。
 
両端に通常の放水路があります。近くで見ると恐怖を覚えるような水量です。   堰からのオーバーフロー状態です。規則正しく流れ落ちる水が綺麗でした。落差は5〜6mもあるのではないでしょうか。
 
主観的には長良川河口堰の未来的で景観から浮いているデザインよりも良いデザインに感じます。長良川河口堰と決定的に違うのは、在る場所が干満の影響を受ける場所か否かです。   大堰下流は、平時の放水が両端にあるため流れも右岸、左岸に中州を挟んで分かれています。右岸側は早い流れになっていて鮎も多いそうです。
 
左岸側はやや開けた流れになっていて浅いようです。ここより上流にもテトラによる小堰堤がいくつかありますが、その下流は共通して中小の石が多くなるため、中州が多く複雑な流れになっています。   五松橋歩道橋から左岸分流を見る。水量がある場所はダム河川特有の薄いグリーン色に見えますが、水自体は綺麗です。鏡状のところでは水中の様子も良く見えます。これは8月16日に撮影したものですが、このときは沢山の縄張り鮎が確認できました。サイズも18〜20pと良い鮎ばかりでした。チャラにも鮎は多く見えて、天然遡上の力強さを感じます。
 
五松橋から下流を望む。鳴鹿大堰から上流の写真と比較すると広大な福井平野が良くわかります。ここには河川敷公園もあり、車でのアプローチも良いので様々な大会で利用されています。   九頭竜川の激流です。このときはトロやチャラはしっかり石垢が付いていましたが、ここはまだ白いようでした。如何に大きなおもりを付けても攻めきれなさそうな流れです。
 
五松橋から上流を望む。鳴鹿大堰からの水が多様なポイントを作り、釣り人それぞれの楽しみ方ができるので人気が高い場所です。   静かに決戦を待つ九頭竜川。「多く釣った者が勝つ」という単純な戦いの舞台に、これ以上の状態で選手を待つ川はそうないでしょう。他選手との戦いではなく、九頭竜川を制した者が勝者となる。読み、技術、機動力、精神力全てを試されるここ九頭竜川で真の実力者が決まる。

 おススメ情報!  
九頭竜川へ北陸道下り線(米原方面から)を利用される場合、福井IC手前にある北鯖江PAがお勧めです。ここの24時間営業のフードコートで食べられる蕎麦類がウマい!それに安い!(夜間、早朝はメニューが限られていますが、蕎麦は食べられます!)コンビニもあり、手作り弁当やお土産もあります。
遠征で泊る場合は福井駅周辺にビジネスホテルが沢山あります。駅前の居酒屋さん「味の王様」は新鮮な海の幸がお値打ちでとてもウマかった!名物はアジのタタキ!
本格的な蕎麦なら「やっこ 城東」さんが美味しかった!
ガッツリ行くなら福井名物ソースかつ丼の老舗「ヨーロッパ軒」さん。やわらかヒレカツがソースにひたしてあるかつ丼です。おろし蕎麦とのセットもありました。
米どころで海の幸豊富な福井は、回転すし屋さんがいっぱいあります。学生さんも多く利用する「魚心」さんは100円ではありませんが、新鮮で立派なネタがイイ!良心的なお店でした!福井駅から五松橋周辺までは車で20〜30分です。折角行くなら福井を楽しみましょう!
   
 北鯖江SAのおろしそば(450円)と手作りおにぎり。蕎麦は太切りで噛むほどにウマい!コメもウマい!    メニューも豊富です。(夜間から早朝はメニューが限られています。)
   
  北鯖江SA ここまで来れば九頭竜川はすぐそこです!